0120-633-340

お問い合わせ

エクステリア・リフォームコラム

高気密・高断熱だと何が変わる?高気密高断熱な家のメリット・デメリットとは?

2021.10.15更新

住まいのリフォームを検討するとき、「長く快適に過ごせる家に改築したい」と誰もが願うことでしょう。それを実現する上で、重要になるのが住まいの「断熱性」と「気密性」です。快適な居住空間を生み出すうえで、また建物の耐久性を高め長持ちさせる上でも、断熱性と気密性の高さがポイントになってきます。

 

具体的に、高断熱・高気密の家には、どんなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットや注意点はないのでしょうか。健康的な住空間づくりの必須条件ともいえる高気密・高断熱化についてお伝えします。

 

 

断熱の仕組みは「外断熱」と「内断熱」の2種類

 

断熱とは、壁の内側など建物内部に断熱材を入れて、外気の熱を遮断する工法をいいます。この断熱材をどこに設置するかで工法が異なり、柱の外側に設置する工法を「外断熱」、柱のあいだに設置する工法は「内断熱」といいます。

 

工法だけでなく、それぞれにはメリット・デメリットもありますから、確認しておきましょう。

 

外断熱の特徴

 

外断熱は、建物全体を断熱材で包み込むような工法のため、高気密の家を建てられるのが特徴の一つです。気密性が高い家は結露が生じにくいため、カビやサビによる住宅の劣化を抑えられるといったメリットもあります。

 

一方、柱の外側を断熱材で包み込む構造のため、外壁が厚くなるのが注意点。特に、狭小地に家を建てる場合、居住空間が狭くなるなど間取りに制約が生じることもあります。また、断熱材の上に外壁材を貼るため、大きな地震が起きると外壁が剥がれ落ちる可能性があることも注意点です。

 

内断熱の特徴

 

内断熱は、柱のあいだに断熱材を設置する工法のため、外壁が厚くなることを避けられます。このため、狭小地などにも向いているでしょう。また、外断熱よりも断熱材を少なくできるため、建築コストを抑えられるといったメリットもあります。

 

一方、気密性の点では外断熱よりも低く、結露が生じることも。構造材に結露が付着して建物の耐久性を弱めるリスクも考えられます。一般的に、木造よりも鉄筋コンクリート造の家の方が結露は生じやすいといわれますから、鉄筋コンクリート造の家なら外断熱が向いているでしょう。

 

 

住宅の気密性が必要な理由は?

「断熱性が重要なのはわかるけど、気密性を高める必要はあるの?」と思われている方も少なくないでしょう。気密性の高い家には、どんな利点があるのでしょうか。その利点は、以下の通りです。

 

室内の快適性を保てる

 

気密性の高い家とは、簡単にいうと「隙間の少ない家」ということ。室内の空気が漏れにくく、また外気も侵入しにくいため、快適な室内環境を効率的に作れます。

 

逆に気密性の低い家だと、部屋の空気が漏れ出たり隙間風が侵入したりするため、暖房や冷房を使ってもなかなか快適な空間にならず、エネルギー効率の悪い家といえます。

 

壁の中の結露を防ぎやすい

 

気密性が高い家だと、室内の湿気が外の空気に触れないため、結露が生じにくくなります。結露でカビやサビが生じ、住宅が劣化することも避けられますから、家が長持ちするといったメリットもあります。

 

断熱性能との相乗効果で快適な空間に

 

断熱材は、室内の温度を快適に保つものではありますが、外気の侵入を防ぐことはできません。気密性を高めることで、本来断熱材が持つ性能を発揮できるようになります。このように、断熱工事と気密工事は相乗効果を生むため、両方同時に実施するのがおすすめです。

 

 

高気密・高断熱の家にするメリット!

 

高気密・高断熱の家にリフォームするメリットをまとめると、以下の点に集約されます。

 

省エネで光熱費を抑えられる

 

高気密・高断熱の家だと一年を通して室温を一定に保てるため、エアコンの使用を抑えられます。電気代を削減できることはもちろん、省エネルギーで環境に優しい家を造ることにもつながります。

 

温度差が小さくヒートショックのリスクを下げられる

 

家の中のどこにいても、ほぼ同じ室温を保てることも高気密・高断熱の家の特徴です。エアコンの空気が外に逃げず家のなかを対流するため、隣の部屋との気温差が生じるといった現象を防げるのです。

 

このため、冬に起きやすい「ヒートショック」のリスクを抑えられます。ヒートショックは家のなかの温度差が原因で、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす現象ですが、高気密・高断熱の家なら温度差がないので発症を防げるのです。

 

結露が生じにくくなる

 

窓ガラスの表面に付く水滴はもちろん、壁の内部に生じる結露も防げますから、構造が腐食して建物の耐久性を弱めるといった心配もなくなります。特に、気密性を高めた家なら、結露の発生を最小限に抑えられます。

 

 

高気密・高断熱の家で注意したいデメリット

 

高気密・高断熱の家にリフォームすると、さまざまなメリットが享受されます。しかし、デメリットともいえる注意点もいくつかありますので、対策を施すことも忘れないようにしましょう。

 

建築コストがかかる

 

気密性や断熱性を高めるには、窓、設備、そして断熱材などの工夫が必要になります。

 

たとえば、窓の多い家は、一般的には気密性の低い家とされますが、窓の数を変えず気密性を高めるには、サッシを樹脂製やアルミ樹脂複合のものに変えるなど熱伝導の低い商品を採用する必要があります。この商品は、一般的なサッシよりも高いので、建築コストがアップする場合があります。

 

また、断熱材も一般的なグラスウールではなく、性能のよいセルロースファイバーやフェノールフォームなどを用いると、原料費が高くなり建築コストにも反映されます。

 

長い目で見れば、住み始めてからの光熱費を削減でき元は取れますが、予算オーバーにならないよう資金計画を立てることが大切です。

 

空気が滞留しやすい

 

室内の空気が外に漏れにくい家は、空気が滞留しやすい家ともいえます。特に、夏は、窓からの日射や輻射熱によって室温が上がると、熱が外に逃げにくいため、いつまでも気温が下がらないということもあります。西日の強い部屋には、窓の外にシェードやすだれで日差しを抑えるなどの工夫が必要です。

 

また、湿気も逃げにくいため、換気計画を誤るとジメジメとした環境になることも。カビやダニが発生しやすくなりますから、換気には注意が必要です。

 

 

高気密・高断熱の家は換気が大切

 

高気密・高断熱の家で、とくに注意したい点が「換気」です。湿気だけでなく、タバコや生活臭などの匂いもこもりやすいので、定期的に換気をする必要が出てきます。

 

現在の家には、24時間換気システムの設置が義務づけられていますが、システムだけで室内の空気を入れ替えるのが難しいケースもあるでしょう。

 

冬場に石油ストーブを使う家庭だと、一酸化炭素中毒の危険もありますから、こまめに喚起をするよう心がけましょう。

 

 

まとめ

 

高断熱・高気密な家にリフォームすれば、快適な住環境をつくりやすくなるうえ、エコで光熱費の安い住まいにもなります。また、結露の生じにくい家にもなりますから、壁内の結露対策もでき、建物を長持ちさせるといった効果も期待できるでしょう。一方で、隙間の少ない家であることから換気計画は慎重に検討する必要があります。

 

高断熱・高気密な家へのリフォームを検討されている方は、ぜひサンキホームまでご相談ください。換気を含め、長く快適に過ごせる住まいをご提案させていただきます。