リフォームとリノベーションはどう違う?メリット・デメリットや費用の違いを比較
2021.08.06更新
リフォームとリノベーション、どちらもよく聞くフレーズですがイマイチ違いが分からないという人は多いのではないでしょうか?
本記事では、リフォームとリノベーションの基本的な違いを中心に紹介していきます。
それぞれリフォームとリノベーションのメリット・デメリットも存在しているので、併せてチェックしていきましょう。
リフォームとはどういうもの?
まず「リフォーム」とは、古い建物を新築のようにキレイな状態に戻すことです。
マンションやアパートをリフォームする場合は、住人が引っ越して来る前の状態に戻すこと指します。
・剥がれかけた壁紙の張り替え
・フローリングなどの塗装
・キッチンなどの設備交換
これからはリフォームにあたります。
まとめると、一般的に古くなったものや壊れているものを修復・交換したりキレイにすることがリフォームです。
壁を取り壊すなど決して大きなことをする必要がなく、部分的な修繕程度ならリフォームで完結します。
リノベーションとはどういうもの?
一方で「リノベーション」は、新たに間取り変更のため仕切りを設置したり水道管工事など建物に大きな影響を与えたりする工事のことを指します。
・壁の内側に、耐久性や耐震性を向上させるための建材を使用
・仕切り壁の撤去
・水道管位置の変更
・冷暖房などの設備設置
元の建物の内外装を整えるだけでなく、性能を向上させて建物自体の価値を高めたりしたい場合はこのリノベーションに該当します。
一言でいうなら、修復以上のことをするのがリノベーションです。
リフォームのように、元の設備を修復するだけならリノベーションとは呼べません。
リノベーションによって元々の生活空間をさらに向上させ、高いデザイン性を実現。
古い住環境を現代に合わせたスタイルにすることによって、間取りや内外装などからより良い暮らしが手に入ります。
リフォームでは実現が難しい問題も、でなら自由にカスタマイズが可能。
マンションや一戸建を購入した人からすると、リノベーションは非常に人気が高い傾向にあります。
リフォームとリノベーションのメリット・デメリットで見る違い
リフォームとリノベーションの違いが分かったところで、それぞれメリットとデメリットについて紹介していきます。
リフォームするくらいなら思い切ってリノベーションをした方が良い場合や、リノベーションよりリフォームした方がコスト的にお得になる場合もあります。
それぞれ理解を深め、自分にはどちらの方法が適しているのか確認して行きましょう。
リフォームのメリット
予算を抑えて見積りが可能なのが、リフォームの大きなメリットです。
・長年住んでいて家に愛着が湧いている
・古い設備だけを修復したい
・予算を抑えたい
・できるだけ工事期間が短い方が良いなど
元ある建物の雰囲気はそのままにし、老朽化が進んだ設備などの修復がしたいならリノベーションではなくリフォームがおすすめです。
リノベーションのように建物全体を工事するわけではないので、かかる費用はやや抑えめ。
さらには工事が完了するまでの期間が短いというのもかなりのメリットだといえます。
長年同じ家に住んでいると、浴室のタイルが剥がれたりカビなどの繁殖で水はけが悪くなるもの。
定期的なメンテナンスを行わないでそのままにしていると、想定されている寿命を縮める原因にもなります。
リノベーションだと工事期間が長くなるので、仮住まいが必要です。
ですが工事期間が短いリフォームだと仮住まいを用意する必要がないので、その日の内に工事が完了することがほとんどです。
リフォームのデメリット
気軽に手を出しやすいリフォームですが、改修箇所が限られているというのがデメリットでもあります。
リフォームの目的は、あくまでも新築の状態に戻すことが前提です。
・間取り変更
・物理的な収納スペースの追加
・部屋の増設
・壁紙や床材など、自分好みのデザイン変更など
後ほど紹介しますが、これらはリノベーションの分類にあたります。
基本的な内部構造の強化をリフォームという形で依頼を出してしまうと、思わぬ高額請求によってせっかくの低予算というメリットが台無しになってしまいます。
特に大きな変化も感じられず、ただコストだけがかかるという事態を引き起こしてしまうので注意が必要です。
間取り変更など建物に大きな影響を及ぼす工事が必要なら、リフォームではなくリノベーションがおすすめです。
リノベーションのメリット
・光や風通しを良くしたり、子供ができた時のための間取り変更
・収納機能の追加
・自分の趣味のために部屋を増設
・壁紙や床材など、自分好みのデザイン変更など
自分の生活スタイルに合わせて内外装を設計できるのが、リノベーションの一番のメリットです。
設備が不十分だと感じれば、自分が求める設備に変更も可能です。
物件のリノベーションをすることで資産価値が上がり、20年30年と経過しても当時の資産価値と大差ないということもあります。
元々中古物件だったとしても、リノベーションすることで新築を購入するよりコストを抑えることも可能。
キレイな物件でなおかつ住みやすさを重視し、それでいて予算内に抑えたいならリノベーションはおすすめです。
リノベーションのデメリット
メリットが多いリノベーションですが、いくつかのデメリットが存在しています。
まずリノベーションで最大のデメリットは、なんといっても暮らすまでに時間がかかってしまうということ。
・物件を選択する時間がかかる
・プランニングに時間がかかる
・物件の調査が必要
・リノベーションを行う
細かい工程は割愛していますが、少なくとも上記4つの工程を踏む必要があります。
マイホームの購入を検討しても、時間に余裕がない人や生活環境をすぐにでも変えたいという人にはおすすめできません。
また、物件の調査で万が一耐震性に難アリなどと判断された場合、リノベーションができないという問題に直面する可能性も考えられます。
そうならないためにも、リノベーションを最初から検討している人は物件選びの段階から専門家と一緒に考えることをおすすめします。
さらにリノベーションは、リフォームローンの金利が高くなる傾向にあります。
自治体によっては補助制度や減税といった処置が適応されることもありますが、ローンなどの問題も視野に入れて行かなければなりません。
リフォームとリノベーションの費用の目安は?
リフォームとリノベーションで、それぞれ規模によってかかる費用は異なります。
どちらも具体的な費用が知りたい場合は、細かく修繕箇所を決めて業者に見積りを出してもらうのが最適です。
・使う素材や建材
・リフォームまたはリノベーション箇所
・工事方法など
見積りの内容も、業者と話し合うことでかかる費用も上下します。
参考までに、リフォームとリノベーションにかかる予算相場を紹介します。
【リフォームの相場(水まわり)】
リフォーム箇所 | 予算相場 |
キッチン周り | 50万円~100万円 |
浴槽などの交換 | 60万円~120万円 |
トイレ交換 | 15万円~30万円 |
洗面台などの交換 | 10万円~20万円 |
【リフォームの相場(内装)】
リフォーム箇所 | 予算相場 |
壁紙などの修復 | 50,000円~ |
床やタイルの張り替え | 50,000円~ |
一方でリノベーションは、以下3つの費用が少なくとも発生します。
・物件購入費用
・リノベーション費用
・管理費や固定資産税などの居住後にかかる費用
自分の物件を購入する必要がある場合は、物件購入費用は発生します。
物件購入費用には、仲介手数料や登録免許税などが含まれた諸経費も発生するので物件購入時に確認しておきましょう。
肝心のリノベーション費用ですが、工事規模にもよりますがだいたいフルオーダーで1000万円ほどかかります。
内訳としては工事費用の10%~20%がデザイン設計料で、諸費用も同じくらいです。
さらにこだわりを取り入れるとなると、1200万円が相場だといわれています。
工事期間の多くが半年かからない程ですから、仮住まいの家賃のことも考えるともっと費用がかさみます。
仮住まいを実家などに設定して低く見積もるとすれば、以下の内訳になります。
費用名 | 費用 |
工事費 | 600万円 |
デザイン設計料 | 約60万円~ |
諸費用 | 約60万円~ |
リノベーション費用 | 52万円~ |
合計 | 772万円~ |
上記の表はあくまでも参考程度ですので、余裕を持った予算を組むことをおすすめします。
中古物件を購入したとしても、リノベーション箇所が増えたり導入する設備の性能が良いものだと費用を安く抑えられるとは限りません。
最後に居住後にかかる費用ですが、管理費や固定資産税などの税金面が主な費用となります。
リノベーションはリフォームと異なり、かなりの費用が発生します。
後々後悔しないためにも、リノベーション会社などと一緒にしっかりと計画を立てていきましょう。
まとめ
本記事では、リフォームとリノベーションの基本的な違いを中心に、それぞれメリットとデメリットについて紹介してきました。
住まいをより良いものにするためにリフォームを行う人は多いですが、自分の好きなようにデザインできるリノベーションもかなり需要があります。
自身が住む家ですから、自分好みのデザインにしたいのは当たり前のこと。
ひと昔前から、リノベーションハウスと呼ばれる賃貸物件で不動産投資する人も少なくありません。
さらにリノベーションだとすまい給付金など、費用負担を軽減できる制度が存在しています。
住まい給付金が受け取れる対象者は、2021年5月現在で年収775万円以下です。
今やリノベーションは、富裕層だけでなく幅広く着手しやすい改修工事となりました。
業者によっては不動産の仲介手数料が無料のところも少なくありません。
リフォームまたはリノベーションする際は、依頼する業者と見積り内容などの認識合わせを徹底することを強くおすすめします。
リフォームまたはリノベーションで、快適な暮らしを手に入れてみましょう。