勝手にすると大問題に!マンションリフォームはどこまで可能?
2021.09.03更新
長年同じマンションに住んでいると、壁はもちろん水道周りなどの劣化が目立ってきます。
老朽化が進むと住みにくさを感じてしまうものですが、マンションは戸建てと異なりさまざまな制約が生まれます。
今回は、マンションのリフォームはどこまでできるのかなどを紹介していきます。
マンションでリフォームできるのは「専有部分」
リフォームする前に必ず覚えておかなければならないのが、リフォーム有効範囲です。
ここでは「専有部分」と「共用部分」の2つに分けられ、それぞれ大きな特徴を持っています。
マンションには戸建てにはない専有部分と呼ばれる区切られた生活スペースと、階段やロビーなどの共用部分と呼ばれる場所が存在しています。
マンションでのリフォームは、この専有部分のみリフォームが可能。
範囲的には部屋の中のみとなっており、外に面している玄関のドアやバルコニーは共用部分となるのでリフォーム対象外となります
それぞれ詳しく解説していきます。
マンションの専有部分とは
専有部分とは、区分所有者が単独で所有している、区分所有権の目的たる建物の部分を指します。
まず「専有部分」ですが、先ほども紹介した通りマンションでのリフォームはこの専有部分のみリフォームが可能。
一部管理組合に相談しなければならない箇所は多々あるものの、部屋の中なら「専有部分」とみなされるため基本的には自由にリフォームが可能となります。
また、生活空間内にある仕切り壁くらいなら取っ払って間取り変更も可能です。
マンションの共用部分とは
一方で「共用部分」ですが、その名の通り自分以外の人も利用するスペースのことを指します。
自分が住んでいる空間以外の場所なので、廊下やパイプスペースなどはリフォームできません。
共用ということで、建物の構造ももちろん手を加えることはできません。
コンクリートで作られた壁や床など、他の住居者に影響を及ぼす場所のリフォームは不可能です。
また、外部に面している玄関のドアやバルコニーなども共用部分扱いなのでリフォーム対象外です。
マンションのリフォームの制約
マンションのリフォームする際には、必ず管理規約を理解しておく必要があります。
共用部分はもちろん、専有部分のリフォームにも規定があるのです。
規定には必ず管理組合が関係しており、事前にリフォームするという届け出をしたり、逆に承認を得る必要があります。
中には自分が住んでいる上下の住人にも、同意を得ることを義務付けているマンションも少なくありません。
リフォームの範囲は制約によって異なり、工事の手続きは遅くても1ヶ月前に申請を出さなければならないところも非常に多いのです。
制約の中には住人同士の騒音トラブルを防止するために、フローリングを禁止にしているところもあります。
フローリングにする場合は、床衝撃音を緩和する資材の使用を義務付けられることも多いとのこと。
その他、以下のような規約を設けられていることもあります。
・指定業者以外の出入りは禁止
・配管交換は禁止
・浴室のドア枠交換禁止など
本来正当な理由なしに、勝手に規約を決めてしまうことはNGとされています。
マンション側に起きた過去のリフォームトラブルで、規約が定められていることも多いのでその場合はマンションの理事会へ規約の改正を申し立てるのも1つの方法です。
マンションでリフォームできる箇所
リフォームできることはたくさん存在していますが、大まかに分けて以下が挙げられます。
・部屋の内装や、間取りの変更
・壁紙や内窓の設置
・壁や天井の中に断熱材を充填
上記は多くの場合のリフォームできることがあります。
多くのリフォーム経験者が、壁紙を好みのものに変更したり、室内に設けられたドアやキッチンスペースなどの建具を交換しています。
ただし、リフォーム可能ではあるものの、管理規制によってはリフォームできない部分も存在しています。
・床の変更
・水まわりを別の場所へ移動
上記のポイントは管理組合に要相談となりますので、他にリフォームしたい箇所と併せて相談しておきましょう。
ちなみに内装や間取りの変更は可能ですが、構造の要となるコンクリートには手を加えることはできないので注意が必要です。
マンションでリフォームできない箇所
一方でリフォームできない箇所は以下の通り。
・バルコニー
・パイプスペース
・窓のサッシ
・玄関のドア
バルコニーを始めとした上記のポイントは、共用部分にあたるため基本的にリフォームできない箇所です。
それぞれポイント毎に解説していきます。
バルコニー
バルコニーに取り外しが可能なガーデン用品や、その他場合によっては床タイルなどを設置することは可能です。
マンションは何号室と分かれているため、必ずバルコニーに避難経路が設けられています。
避難経路が塞がるようなリフォームはできないので、要注意です。
パイプスペース
要は排水管が通るスペースのことを指します。
パイプスペースは共用部分にあたるので、リフォームできません。
窓のサッシ
窓のサッシも共用部分にあたるので、リフォームできません。
ただし、窓の内側(室内側)なら塗装やシールを貼ることができます。
窓ガラスや戸車、さらには鍵の交換や増設がしたい場合は管理組合に相談しましょう。
玄関のドア
外部に面しているため、玄関のドアはリフォームできません。
ただし窓のサッシと同じで、室内側なら塗装やシールを貼ることができます。
鍵の交換や増設などもできる場合があるので、管理組合に相談しましょう。
ここで上げた箇所は、リフォーム時に工事できないことが多いため、管理組合に相談したり、管理規約を確認したりする必要があります。
マンション管理組合の規約は要チェック
マンション管理組合の規約は、必ずチェックすることを強くおすすめします。
要は工事のルールですから、リフォーム前に確認することが可能です。
これまでも紹介してきた通り、管理規約には独自のルールを設けていることも考えられます。
双方で何かしらのトラブルを未然に防ぐ目的はもちろん、どれがリフォームできて何が出来ないのかを明確にすることができます。
さらには自分と業者間の問題だけでなく、リフォームを進めるにあたって近隣住民を巻き込んでしまう可能性も考えられます。
ありとあらゆる問題を回避するためにも、必ずマンション管理組合の規約はチェックしてください。
規約の中には、リフォーム前に住民の許可を得る必要があるものも存在しています。
また、マンションを購入してリノベーションする際にもマンション管理組合の規約チェックは必須。
さらにはリフォーム会社の選択も重要で、マンションの場合でしたら集合住宅のリフォーム経験が豊富な会社(業者)に依頼するのがおすすめです。
経験豊富な会社なら見積りはもちろん、規約などに関するトラブルが少ないです。
まとめ
本記事では、マンションリフォームはどこまで可能なのかを中心に、リフォームの制約やリフォーム可否の箇所などを紹介してきました。
リフォームは近隣住民が住んでいれば、その人達のことも考えなければなりません。
リフォームする側は「専有部分」と「共用部分」の区別も理解する必要があるので、リフォームしたいからといって手軽にできるものではないことを覚えておいてください。
玄関のドアやパイプスペースなど、必ずしも自分がリフォームしたい箇所がリフォームできるとは限りません。
マンションを購入してリノベーションを考えている人は特に重要なことですから、規約はもちろんリフォームを依頼する業者と認識をすり合わせてくださいね。