リフォームをするならオール電化?ガス併用?それぞれのメリット・デメリットは?
2021.08.20更新
近年の新築住宅の5件に1軒がオール電化といわれるほど、非常にクリーンな環境を持った住宅が増えて来ました。
新築に限らず、リノベーションした物件の多くが節約を目的としたオール電化を採用しているところもあります。
ですがオール電化にもデメリットが存在しています。
本記事では、オール電化とガス併用のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
オール電化のメリット・デメリット
オール電化とは、その名の通りすべて電気で稼働させることを指しています。
キッチンやバスルームといった、一般的にガスを使う場所はすべて電気での運用が可能です。
このオール電化が一般的に取り入れられるようになったのは、エコに着目し始めた2000年代に入ってすぐのこと。
それまではガスが当たり前の時代だっただけに、電気ですべてのエネルギーが賄えることに衝撃を覚える人も非常に多い傾向にありました。
さて、ここからはオール電化のメリット・デメリットについて紹介していきます。
まずはオール電化のメリットですが、大きく分けて5つ。
1.光熱費が節約できる
2.ガスでの事故がなく安全性が高い
3.災害時の復旧が早い
4.蓄電ができる
5.IHクッキングヒーターの手入れがラク
特に「光熱費が節約できる」と「ガスでの事故がなく安全性が高い」は、かなり大きなメリットだといえます。
ガスを一切使わないので、電気代のみとなります。
ガスより電気の方が安く利用できるため、節約に繋がるのです。
一方でオール電化のデメリットですが、大きく分けて4つ。
1.初期費用が割高
2.電気が止まると全てが使えなくなる
3.キッチン用品を選ぶ必要がある
4.火の調整が難しい
新築ならリフォームする必要が少なく、最初からオール電化を採用している物件が多い傾向にあります。
そのためリノベーションなどでオール電化にする場合、初期費用がかかります。
メリットの方が多いオール電化ですが、2021年現在になっても普及がイマイチなのは初期費用が割高であることも理由の1つ。
さらに停電などで電気の供給が止まってしまうと、自宅のライフラインがすべて失ってしまいます。
日常的に自炊する人だと、火の加減が分からずガスコンロの頃に比べて美味しく作れないという問題も抱えています。
ガス併用のメリット・デメリット
ガス併用は、一般的には「都市ガス」や「プロパンガス」が挙げられます。
火を使うガスコンロや、入浴のためにお湯を沸かす際はガスを使用する家庭は今も多いもの。
基本的にオール電化にしていない家庭は、すべてこのガス併用となります。
ガス併用のメリットは、大きく分けて4つ。
・必要な時にすぐお湯が作れる
・都市ガスならコストを抑えられる
・すぐに室温が上げられる
・災害が起こってもライフラインを維持しやすい
オール電化に比べて、基本的にガスの方がパワーが強いといわれています。
そのため自分が好きな時に好きなだけお湯が作れたり、室温を上げるなどストレスフリーな生活が実現しやすいのです。
一方でガス併用のデメリットですが、大きく分けて3つ。
・電気代とガス代の両方がかかる
・都市ガスが安いが、プロパンガスは割高
・オール電化からガス併用に切り替える際の費用が高い
オール電化はガスを使わないため、請求されるのが電気代のみ。
ですがガス併用ですと、電気代とは別にガス代がかかります。
費用を抑えたいと考えていても、プロパンガスしか使用できない地域だとさらにコストがかかります。
災害時のメンテナンス性能の比較
ここでは「オール電化」と「ガス併用」で、災害時のメンテナンス性能の比較を紹介していきます。
まず「オール電化」ですが、これまでも紹介してきた通り停電などで電気の供給が止まってしまうと、自宅そのものが機能しなくなってしまいます。
ただし、常に太陽光で発電を行い蓄電しておけばそれらの心配は回避可能です。
断水問題も心配で、エコキュート内にお湯を貯めておく必要があります。
エコキュートの構造が複雑な関係上、故障して使い物にならなくなる前に定期的なメンテナンスがおすすめ。
次に「ガス併用」ですが、電気に比べてガスの方が復旧に時間が掛かります。
火災の危険度もガスの方が高いですし、料理最中など日常的にやけどを負ってしまうリスクと隣り合わせだったりします。
台風などの災害で、ガスが止まってしまったというケースもよく耳にします。
ガスが止まってしまうと、復旧までの間ガスコンロはもちろん湯を張ることもできません。
ガスコンロの老朽化も、不具合に繋がる原因とされています。
ガスホースが劣化してガス漏れを引き起こす可能性も考えられますから、定期的なメンテナンスをしましょう。
それぞれのメンテナンスに関しては以下の表でまとめてみました。
環境 | 給湯設備 | メンテナンス箇所 |
オール電化 | エコキュート | 交換年数の目安は、およそ10年~15年。
定期メンテナンスを行わない場合、通常より寿命が短くなる可能性アリ。 |
ガス併用 | ガス給湯器 | 標準使用期間は10年。
10年以上の使用は、急な故障の原因に。 |
環境 | 調理器具 | メンテナンス箇所 |
オール電化 | IHクッキングヒーター | 手入れがラクで、交換頻度は8年~10年が理想。
調理後に軽く汚れを拭き取るなどでOK。 |
ガス併用 | ガスコンロ | 定期的に五徳やバーナー部分の手入れが必要。
使用期間は約10年で、ガスホールが劣化していないかの確認も行う必要アリ。 IHクッキングヒーターに比べて、定期的なメンテナンスが必要。 |
オール電化が向いている人はこんな人
一言でいうと、日中は外出している人には向いています。
オール電化の大きなメリットは節約なので、最大限メリットを生かすには夜間の追加給湯をしないことが望ましいです。
日中に太陽光で蓄電をし、夜間に調理などで使用するという使い方が最も光熱費を安く済ませる方法です。
さらに、エコキュートと呼ばれる給湯タンクの設置スペースが確保できる住宅である必要があります。
エコキュート内に貯められたお湯は飲料には適していないものの、入浴などには利用可能。
災害時に入浴できないという問題を解消してくれます。
ガス併用が向いている人はこんな人
ガス併用はオール電化とは違って、専業主婦など日中自宅にいることが多い人に向いています。
ガスコンロなら導入コストも抑えられますし、いつでも自分の好きなタイミングで料理屋お湯を沸かすことが可能。
料理も火の調整がしやすいですし、エコキュートのようにスペースを取ることもありません。
オール電化に比べて節約面では劣るものの、使用する時間帯を気にしないで良いのはかなり大きなメリットだといえます。
まとめ
オール電化とガス併用のそれぞれメリットとデメリットを紹介してきました。
本記事で紹介したメリットとデメリットは、挙げたらキリがないくらいたくさん存在しています。
さらにいうと、中古物件のリノベーションを行いたいと検討していても、必ずしもその環境にできるとは限りませんので注意が必要です。
自身のライフスタイルに合わせてオール電化にするのか、はたまたガス併用にするのかを決めるのがおすすめです。
普段から日中も自宅で過ごしていることが多い人がオール電化にすると、かなり大きな額を請求される可能性があります。
ライフスタイルによってメリットにもなりますし、デメリットにもなる場合があるので自身のスタイルに合った環境を選びましょう。