何かと便利!エクステリアに水栓を設置するポイント
2020.11.20更新
エクステリア空間を充実させるうえで、「水栓」は重要な設備の一つです。玄関まわりや庭に水栓があると何かと重宝しますし、生活にゆとりも生まれるでしょう。
その一方で、外構のプランニングをする際に意外と忘れがちなのも「水栓」です。位置を間違えると面倒なことが増えますし、設置場所を変えるとなれば多額の工事費用がかかります。
そこで今回は、水栓の場所や数、形式など、エクステリアに水道を設置する際のポイントをお伝えします。
エクステリアで水栓が必要なシーンとは
そもそも水栓は、どんなときに使うのでしょうか。エクステリア空間で水栓を使うシーンをイメージしてみましょう。
エクステリアの掃除
タイルや玄関アプローチ、ウッドデッキなどに付いた汚れをサッときれいにしたいとき、水栓があると便利です。泥汚れなどは、勢いよく水をかけるだけで簡単に清掃ができます。
こまめな清掃は、建物の劣化を抑えるうえでも有効です。湘南をはじめ海沿いの家では、塩害や飛砂対策が必要ですから、窓や壁などに付着した潮を水で洗い流すなど、水栓は重宝される存在です。
洗車
愛車を自分で手入れする際にも、水栓が役に立ちます。駐車スペースの近くに設置しておけば、洗車をするのが楽です。
簡易的なカーポートがあっても、強い雨や台風の日には愛車が汚れてしまいます。海沿いの地域だと塩害や飛砂による影響もありますから、こまめに掃除できるよう愛車の近くにあると便利でしょう。
家庭菜園・ガーデニング
庭で家庭菜園やガーデニングを楽しみたいという方なら、水栓は必須アイテム。野菜や果物、樹木や草花などに水やりをする際に、近くに水栓があると便利でしょう。
鉢植えの植物に水をあげる程度なら必要ないかもしれませんが、本格的な家庭菜園・ガーデニングをやる場合は、水栓がないと不便に感じます。
子どもやペットの遊び帰り
外から帰ってきた子どもたちの手足や、散歩帰りのペットの足などを洗うとき、玄関先に水栓があると重宝します。家のなかに汚れを持ち込まないことで、掃除が楽になるでしょう。
また、手洗器を設置しておけば、家に帰ったら手洗いをするという習慣が自然と身につくなど、しつけの一環にもなるでしょう。
水栓の種類
エクステリアに設置される水栓のタイプを大きく分けると、「立水栓」「散水栓」の2つがあります。どちらのタイプを選ぶかは、水栓の使い方によるので、それぞれの特徴を把握したうえで選びましょう。
立水栓の特徴
立水栓は、ポール状の上部に蛇口がついている立柱型の水道です。蛇口が大人の手元あたりにあることから、手洗いやじょうろに水を入れるといった立ち作業が多い方に適しています。
最近の立水栓は、ステンレス製のスタイリッシュなデザインや陶器の立水栓などオシャレなデザインの商品も登場しています。エクステリアを素敵に彩りたい方なら、デザインにこだわるのも楽しみの一つでしょう。
散水栓の特徴
散水栓は、地面に埋め込むタイプの水道です。使わないときにはフタをして隠せるので、すっきりしたエクステリア空間を実現できます。特に、庭に立水栓を設置するスペースがない家や、駐車スペースのように障害物を置きたくない場合には、散水栓が適しているといえます。
ただし、エクステリアで水道を頻繁に使う方には、しゃがみ込んで使用するため面倒に感じるかもしれません。
水栓を設置する場所の決め方
水栓の設置場所を決めるときに重要になってくるのが、利用目的を明確にすることです。
これまで紹介したように、外から帰ってきた子どもやペットに汚れを落としてもらうのが目的なら玄関先に設置するとよいでしょうし、車やバイクの洗車に使いたいなら駐車スペースの近くに設置すると便利でしょう。
家庭菜園やガーデニングを楽しみたい方なら、庭に設置するのがマスト。芝生のなかにオシャレな立水栓を設置すれば、美しいエクステリアを演出するアイテムにもなります。
「とりあえず設置しておこう」が失敗のもと
プランニングの際にこのように利用シーンを具体的にイメージせず、「とりあえずここに設置しておけば問題ないだろう」と決めてしまう方も少なくありません。
よくある失敗例が、玄関側に1つ、裏口に1つなど、建物の対角線上に水栓を設置するケース。ホースがあれば家の外周をカバーできるという考えです。外で水道を利用することが少ない方であれば、それで問題はないかもしれませんが、頻繁に利用する方にとっては、ホースを引っ張ってくるのが面倒で、使いづらいと感じてしまいます。
安易な考えで水栓の位置を決定するのは、失敗のもとです。水栓が敷地のどこに必要かは、ライフスタイルによっても異なります。エクステリアのレイアウトをイメージしながら、どこにあると利便性が良いかを考えましょう。
水栓を設置する際の注意点
水栓の位置だけでなく、設置する際に注意したいポイントはほかにもあります。以下の点には気を付けましょう。
位置によっては工事費が高額になることがある
新築の注文住宅を建てる際には水道管の配置も1から決めるため、水栓の場所も比較的に自由に決められます。
しかし、既存住宅でエクステリアのみリフォームする場合には、水道管の位置によっては工事が難航することもあります。家の構造上の問題で取り付け不可になることもありますから、事前に施工会社に相談し、どこなら取り付けられるか確認しておくことが大切です。
排水計画も考える
水栓から出た水を流し込む「排水」についても、検討しておきたいポイントです。洗車をした水が隣家に流れ込むようなことになれば近隣トラブルになる可能性もありますし、水はけの悪い土質だと庭が湿原のように水浸しになることもあるでしょう。
水栓の設置工事だけでなく、排水計画や土壌改良などの工事も必要になるかもしれませんので、こちらも計画する際に確認しておきましょう。
寒冷地では厳冬期に凍結対策が必要
寒冷地や積雪の多い地域では、厳冬期の対策も必要になってきます。
一般的に、水道管は外気温がマイナス4℃を下回ると凍結する可能性があるといわれますから、それ以下になると予想される場合は不凍栓を取り付けるなど凍結防止策を行うことが求められます。また、豪雪の日には散水栓の上に雪が積もって使用できなことも考えられます。該当する地域では、このような対策も検討しておきましょう。
まとめ
水栓の位置を失敗しないためには、どんなシチュエーションで使うか目的をしっかり定め、エクステリアのプランニングの際に決めておくことが重要です。
既存住宅でエクステリアのリフォームをする場合は、コストや時間がかかることもありますので、綿密な計画を立てて設置工事を進めてください。