『玄関と裏口編』~バリアフリーについて考える①~
2019.03.25更新
高齢者の人口が増加している日本では、安心して暮らせる住宅を整え、介助や介護が受けやすい環境をつくることが求められています。
今回から4回の連載で、住宅のバリアフリーについて考えていきます。若い世代の方も、他人事だと思わずぜひ将来を見据えた住まいづくりのヒントにしてみてください。
1.バリアフリーとは
バリアフリーとは、簡単にいうと障壁(バリア)を取り除くこと。日常生活や社会生活における物理的、心理的な障害などを取り除き、環境を改善していくことを言います。
高齢になると、筋力や視覚だけでなく、感覚機能などが低下していきます。小さな段差にもつまずきやすくなるため、玄関や裏口のつくり方、設備も工夫が必要です。
2.玄関だけでなく裏口もあると便利
立派な玄関があるご家庭でも、年齢を重ねるにつれ裏口もほしいという声が増えています。
庭や駐車場、物置などが家の裏側にある場合、玄関しか出入り口がないとムダな動きが増え不便ですよね。裏口があれば、ゴミ捨てや庭に出るなど、日常生活のなかで動きやすくなり生活の質も向上しそうです。
3.玄関のバリアフリーとは
玄関は段差があり、硬い床の土間もあるため転倒などの危険が多い場所。そんな玄関をバリアフリーにするポイントはいくつかあります。
玄関ドアの幅は、車いすでも通れるよう幅900mmに、人感センサーで照明が点灯するようにしておくと便利です。
転倒しやすい玄関の土間と上がり框の段差は、180mm以下にしましょう。これを超える場合は、上り框との間に式台と呼ばれる台を設置し、ずれないよう固定して安全に使えるよう配慮します。
昇降しやすいように手すりを設置することも大切なポイントです。
また、建具には高齢者が使いやすい「引き戸」を。室内だけでなく玄関ドアにも採用すれば、出入りがよりスムーズになります。
4.裏口のバリアフリーとは
玄関の他に、裏口(勝手口)があれば、ちょっとした屋外への移動が楽になります。
裏口をつくる際には、土間があると外履きを置いたりゴミを保管する際の置き場所にしたりと大変便利です。ここにも必ず手すりを設け、段差を小さくしましょう。
また、裏口を設置する場所はご家庭によって使いやすい場所を選ぶとよいでしょう。
たとえば、ガーデニングが趣味の方なら、浴室や洗面所に裏口があると玄関や廊下を汚さず、汚れたときそのまま直行できるため利便性がアップします。
キッチンに裏口、というイメージがありますがライフスタイルを基準に検討してみてください。
まとめ
住まいのバリアフリー化を考えるとき、危険の多い開口部を使いやすく工夫することは大切なポイントです。ライフスタイル次第でつくる場所や広さも異なります。ぜひ記事を参考に、玄関の他に裏口を設けるアイデアを取り入れてみてはいかがでしょうか。