リフォームか建て替えかを判断する目安
2022.10.22更新
それぞれのメリット・デメリットから、「工期やコストを抑えるならリフォーム」「自由度の高さを求めるなら建て替え」というのも判断基準の一つになります。
ただ、さまざまな事情からそれだけで決めるのは難しいという方も多いのではないでしょうか。リフォームと建て替えのどちらを選ぶか、最終的な決め手になるのは「コスト」と「家の構造」の点が大きいでしょう。この観点から、どちらを選ぶのが得策なのかを考えてみます。
コストの観点で選ぶ目安の基準
施工会社が提示したリフォームの見積書を見て、「建て替えた方が安いのでは?」と思われる方も少なくないようです。では、建て替えた場合は、いくらになるのでしょうか。
まず、建て替えの場合は既存住宅を解体する費用がかかります。解体費用の相場は坪単価で3~4万円くらいですから、40坪くらいの家だと120~160万円です(別途、廃材処分費用がかかります)。
そのうえ、注文住宅の建築コストが上乗せされます。住宅金融支援機構が調査した「2019年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅の平均的な建築費は約3,454万円。つまり、建て替えをするときにかかる費用は3,600万円くらいが目安になります。
なお現在では、1,000万円台で新築戸建が建てられるローコスト住宅もありますから、これより安くできる場合もあるでしょう。いずれにしても、リフォームと建て替え、それぞれの見積もりを依頼して比較検討した上で判断しましょう。
構造の観点で選ぶ目安の基準
築年数が古く耐震性や耐久性に問題がある家だと、リフォームでは対応できないこともあります。基礎や構造に腐食やシロアリ被害が見つかり、補強工事では対応できないとわかれば、選択肢が建て替えしかなくなります。
基礎や構造は外から見えない部分ですから、リフォーム工事が始まってから発見されるというケースもあります。これを防ぐには、工事の前に「住宅診断(ホームインスペクション)」を利用するのも一手です。
住宅診断とは、専門家が家の劣化や欠陥などを調査して、改善箇所やそれにかかる修繕費用、今は大丈夫でも修繕が必要になる目安の時期などを、第三者目線でアドバイスしてくれるサービスです。リフォームができるか否かといった判断もしてくれるでしょうから、迷われている方は活用してみてはいかがでしょうか。