リフォームをするのに適切な時期は? 築年数から考えよう
2021.06.04更新
リフォームをした方に動機を聞くと
「家が傷んだ」
「台所や浴室などの設備の老朽化」
などの回答が多く聞かれます。リフォームに踏み切る大きな理由は、不具合を直す「修繕」のようです。しかし不具合が出てからの修繕リフォームは、賢いやり方と言えるでしょうか? 家は、傷んでから修繕するよりも適切な時期にリフォームする方が、暮らしやすくトラブルも少なくて済む傾向があります。ここでは、家のリフォームをする適切な時期について紹介します。
適切な時期にリフォームをすべき理由
家は内装や外壁、屋根、設備など多くのパーツからできています。そして、パーツごとに耐用年数が決まっています。これが家のライフサイクルです。耐用年数を超えれば、それだけトラブルは起きやすくなるため、パーツごとのライフサイクルに合わせてメンテナンスをすることが家を長持ちさせるコツです。適切な時期にリフォームをせずに放置すると、後になって余計に費用がかかる場合もあります。
例えば外壁の場合、サイディングのコーキングの劣化やモルタル塗の外壁のクラックなどを放置した場合、雨水が内部に侵入して柱を腐らせる危険性も……。大きなトラブルを引き起こさないために、築年数に応じたリフォームプランを立てることが大切です。
築年数に応じたリフォーム
築年数ごとにチェックすべき個所を知って、適切にメンテナンスを行いましょう。
築年数:5年~10年
大きなトラブルはまだありませんが、内装や配管設備に汚れや不具合が見られるようになります。早目のメンテナンスで住まいが長持ちする時期です。
<チェックポイント>
壁紙のはがれ、色あせ等
配管設備の不具合がないか等(水漏れ等)
シロアリ対策
建具(内部建具、サッシの建付、金属のゆるみ)
築年数:10~15年
トイレや給湯器などの設備関連が耐用年数を迎えます。設備は年々省エネ、高機能化するので、新しいものの方が暮らしやすくランニングコストが安く済むこともあります。外装のメンテナンスも徐々に視野に入れていくとよいでしょう。
<チェックポイント>
外壁サイディングのシール材、モルタルのクラック、屋根材のずれ・脱落・クラック、塗膜の劣化等
トイレ(ウォシュレットからの水漏れ)
浴室(浴槽の割れやヒビがはいっていないか)
給湯器(異音、振動等発していないか)
キッチンコンロの点火不良
水栓等の水のしまり具合(水漏れはないか)
築年数:15~20年
内装や外壁ともに劣化や破損個所が出てきます。生活のグレードアップのために建具や設備を交換したり、補修を検討したりするタイミングです。
<チェックポイント>
外壁(サイディングのコーキングの劣化、モルタルのクラック、塗膜のはがれ等、屋根材の劣化)
建具の不具合(アルミサッシ、内部建具の動作不良や劣化)
床、壁の不具合(きしみ、わたみ、変形)
シロアリ被害
内装(クロスの変色やはがれ、床材の傷み、きしみ、劣化)
各設備器具の不具合
築年数:20~30年
内装や外装、屋根など全体的に劣化が目立つようになります。居住者のライフスタイルも変わってくるので、建て替えや全面リフォームを考えるタイミングです。
<チェックポイント>
基礎部分の劣化(クラックの発生の有無)
屋根材のずれや破損(カラーベストの場合は基板部の劣化)
窓サッシの建て付け不良、劣化(開閉不良、気密性の低下)
玄関ドアの劣化(開閉不良、鍵のかかり具合)
配管の劣化
内部の壁や天井などに雨漏れの徴候(しみ、クロス剥がれ)
内部の壁や天井などに構造上の不具合の徴候(クラック建具建付不良)
そのほかリフォームの時期の考え方
築年数以外でリフォームのきっかけとなるのが、「家族のライフステージの変化」です。子供が育って個室が必要になる、子供が独立して家を出る、高齢化した両親を引き取って介護するなど、家族の状況や人数の増減によってリフォームの可能性が出てくることもあります。また居住者自身が高齢化して、バリアフリー対応が必要になることも。
このように、ライフステージごとに家に対するニーズは変化していきます。リフォームが必要な時期はいずれ必ず来るので、計画的に資金を準備しておくのがおすすめです。
家も家族も年々変化していきます。家を持ったら問題が起きてからリフォームをするのではなく、築年数に応じた劣化や家族生活の変化を見越して資金を含めたリフォーム計画を立てるようにしましょう。